桂坂の庭
この“桂坂の庭”という作品は、私が2002年に手がけた作品です。
山を歩くということが、疎遠になりつつある現代において、山の自然の姿を見出そうと思い、造園したのがこの庭園。
庭の入口部分は『山の小道』を、中心部分は『山の広場』を表現しようと様々な工夫をこらしました。
まず、アプローチでは高低差を利用し、山へと入り組む小道をイメージ。
さらに、山の広場への意識転換も狙っています。
足元には枕木舗装を連続的に据え付け、その先にはコバ立ての石舗装を造り上げました。
中央部分には、花や野草を植え付け、自然に包みこまれる感覚を生み出すとともに、庭全体を引き締める効果を。
メインとなる木には、株立ちのヤマボウシを選定。
株立ちとは、生息している樹木を根元で切り落とし、一株から幹や枝が地際から数本立ち上がったような樹形を作る状態のことを言います。
そうすることで、樹木が細く軽やかな印象になり、自然の趣を感じさせます。
見て楽しむ、木々に触れる、花を植える、自然と共に生活する、という衝動に駆られる庭空間を目指しました。