佛乘寺本院 室内屋上の庭
卒業後初めての庭造りを行ったのが、ここ佛乘寺の中庭です。
3階フロアの全面改装をきっかけに以前作庭した中庭は、部屋内の通り庭に変更。
本願寺の大瓦と鉄作家・明珍宗理氏による鎖アート・礎石型水鉢が主軸となる水を用いた庭へと生まれ変わりました。
また、今回の改装に伴って屋上にも新たに庭を制作することに。
竹垣を背景にと構想を練っていましたが、屋上という特殊空間では、通常の工法では歯が立ちません。
そのため、風に強く自立可能な構造設計、美的に優れたデザイン、素材の組み合わせなどを一から考える作業が必要となりました。
構造的にも美観的にも優れているものを追求するために、何度も何度も討論を重ね、素材とにらみ合い、ようやく完成した竹垣。
しかし設置の際も、屋上が水平でないために、慎重な作業と様々な手順を踏む必要がありました。
そんな新しい挑戦に満ち溢れた作庭。
私を一回りも二回りも成長させてくれた庭園です。
写真:増田広大(写真家)